『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』 尾形真理子 コピーライターの片鱗
この本はほとんどジャケ買いでした。
作者もこの本も全く知らず、ルミネの広告と繋がったのも読後。
いつも立ち寄る、表参道の青山ブックセンターで、平積みされていたのをパッと手にとって、すぐにレジに持って行きました。
青山ブックセンターって本当に本が欲しくなる電波が飛んでるのかってくらいに買っちゃう。
安いし、まぁいいかって。本は一期一会って誰かが言ってましたし、逃したら二度と出会わない方が怖い、、、
コピーライターが炙り出す女性像
一つのセレクトショップを起点としているが、群像というほど繋がりはありません。
結末を描かないことで、前を向き始めた女性たちの姿勢で終わり、良くも悪くもリアリティがある。下手にハッピーエンドにしないことで、この先の彼女たちを想像できるのは楽しい。
描かれた女性たちの可愛らしさ、しなやかさの一方で、女性によって描かれた女性視点の男性にげんなりする部分もありました。読む中で呆れたり、思わず唸ってしまう不思議な体験。
作者がルミネなどを手掛けるコピーライターということで、言葉に無駄がなく鋭さがある。その分、所々で違和感を感じる部分はあった。(小説家による小説家とは良くも悪くも違う、大味な印象)
タイトルや物語末に挟まれるコピーチックな一節は思わず声に出して読みたくなる。
私とっては尾形真理子という人を知ることができただけでも大きな収穫でした。
『ようこそ地球さん』星新一 生まれた瞬間から処刑は始まっている
前田裕二さんの推薦(News Picks magazine)がきっかけ。
彼は「殉教」という一編を推していた。こちらも短いながら死生観を揺るがせる
今回は別の一編、「処刑」が非常に印象的だったので紹介
あらすじ
機械化が急激に進み、人は機械に支配されていた
機械に働かされ、疑問や反抗をしようものなら処罰される
反乱因子は殺人犯へと誘導され、その罪で処刑されるのだ
処刑方法は、カラカラに乾き水の存在しない赤い惑星への島流し
罪人は銀色の球体だけ手渡され、赤い惑星へと降ろされる
銀色の球体はスイッチを押すと空気中の水蒸気を水へと変える(水が手に入る)
その一方である一定数以上スイッチを押すと、持ち主もろとも爆発してしまう
罪人たちはいつ来るかわからない死に怯えながら、それでも水を飲むためにスイッチを押し続ける…
世界の見え方がガラリと変わる瞬間
読み始めは、文明の急進的な成長は人類の破滅を引き起こす、というような普遍的なテーマかと思われた。
AI時代への突入を前にしてみると、シンギュラリティの恐ろしさに警鐘を鳴らされているようにも感じてしまう。
しかし、最後の数行で私はあっと言わされてしまった。処刑という名の下に行われている、赤い惑星での死と隣り合わせの生活。
これは地球上で私たちが送る生活と同じではないか。赤い惑星において、日常のすぐ路地裏に潜む死が表面化しただけであって、骨組みはなんら変わらない。地球で生きる私たちだって、天寿を全うするかもしれないし、明日死ぬかもしれない。神のみぞ知るところだ。
タイトルの「処刑」とは人間として生まれ、生きていくことそのもの。
生まれた瞬間から刑は始まっている。
『頭にきてもアホとは戦うな!』まとめ
「せっかく手に入れた人生なのだから、 つまらない戦いで浪費してはもったいない」
自己啓発にしては、
目標のためなら敵にさえ頭を下げ、
周囲との摩擦をへらし、
『頭にきてもアホとは戦うな!』ひとことでまとめると
『頭にきてもアホとは戦うな!』
知ったきっかけは
乃木坂46
今は元乃木坂46ですか
本書『頭にきてもアホとは戦うな!』はその元乃木坂46、 若月佑美さんのインスタグラムのストーリーで紹介されていました。
オリコンBOOKランキング ビジネス書ジャンル1位を獲得
日テレ系でまさかのドラマ化
現在放送中
若月さんはヒロイン役として出演しています
さて内容に入りましょう
この一冊、一言で表すならば、
『柔よく剛を制す』でしょうか
タイトルの通り、頭にきても
アホと真っ向から戦うと
アホの自分に対するヘイトをためてしまいます
それならばむしろ、
懐柔して、味方につけてしまおう!
という方法、姿勢の指南
最近読んだビジネ書の中では異色さを感じます
好きなことをして
やりたいことをやって
嫌いなことは避けて
といったような綺麗事ではなく
一人の政治家がここまでの人生から学んだリアルな処世術
現実の厳しさ、そして著者田村さんの経験は
読んでいて少なからずブルーになる場面もちらほら
けれど、社会で生きていく上では心に留めるべき事項が凝縮
ぜひ読んでみてください。
以上