書簡形式で紡ぐ二人の時間 『回転ドアは、順番に』

2人の詩人が、互いに詩を送り合い相手の詩に呼応するように次の詩を書いていくという斬新な作品。


少なくとも私はこのタイプの本に初めて出会った。 男女2人の出会いから別れまでを、全て詩で表現。それにより、全て間接的な表現での描写を強いられる。だからこその良さがある。


絵を描く時、普通なら対象の物の輪郭をペンでなぞる。しかし、本作は物の外側の景色を書き込むことで物を浮き上がらせるような? そんな感覚。うまく説明できないけれど、うまく説明しなくていいのだとも思う。

回転ドアは、順番に (ちくま文庫)

回転ドアは、順番に (ちくま文庫)